夏の花

あなたの背中越しに

黄色の花が

幾重にも重なって

こちらを見つめてた


何も告げず

何も責めず


静かに見つめてた


あの日の微かな花の香りが

部屋にまだ残っている


失われたはずの季節が

部屋にまだ居座っている