やさしく引っ張られて

斜めがけのバッグが

やさしく引っ張られて

僕は空を見上げた


振り向かなくてもわかる

君が泣きだしそうになってること


ごめんね

ありがとう


そんな言葉は唇をすり抜けるのに


さよならって言えない僕は

なんてずるいんだろう

おしまいになるのに

あと少しで


さびしさもわがままも

全部押し殺して

やさしく引っ張られたまま

空を見上げる


振り向けなくて気づいた

僕が泣きだしそうになってること