全てが残像になるまでは

「残像をちりばめながら生きてるの」

冗談ともつかぬ風情でそう言った


「一生モノの夢は後ろめたいだけだ」

僕は決めつけた


「やぶれたっていいじゃない」

君は笑った


ひとつだけでも夢があるのは

ふたつ以上何かを捨てたということで

後ろめたくはないでしょう?


だから生きていましょう

全てが残像になるまでは


そう言うと

夢の出口で拾った鍵を

僕にそっと握らせた