猫の独り言

素知らぬ顔で

人間にはそう映るのだろう

だって彼らはいつだって

噂を立ててはほくそ笑む

誰も見てないと信じきって

誰か見ていても割り切って

いくつもの顔を

使い分けるのだから


素知らぬ顔で

人間にはそう映るのだろう

心があること知らないで

腹を立てては傷つけて

腹をすかせて忘れてしまう


素知らぬ顔の猫でいたのは

あなたかもしれなかった

わたしかもしれなかった


他の誰か

かもしれなかった