母の母

水底の鏡を

のぞきこんでおりますとね


チョコを削りながら

静かに彼女は話し始めた


後悔やら

破れた恋やら

忘れてた夢やら


たまに浮かびあがって

くるんですよ


とっくのとっくに

昇華したとばかり

思っていたのですがね


そんなに完成も成熟も

してなかった

そんなとこでしょうかね


大真面目を装って

実は拗ねている

素敵な先輩なのです


時には

拗ねたほうが元気になれるわよ


とウインクしあって

カプチーノで乾杯したのは

ここだけの話です