きみってひとはきみってひとはいつまでもいつまでも服からとれないコロンの香りみたいだ前ぶれもなく鼻先をかすめていたずらっぽく笑うんだひどい言葉ばかりだったのになんで忘れられないんだろね冷たい仕打ちばかりだったのになんで思いだしちゃうんだろねきみの不器用な愛し方がなつかしいよとても20Mar2017切ない気持ち
とうの昔にあなたの中でとうの昔にあなたの中でわたしはすっかり褪せてしまったそれともとうの昔にあなたの中でわたしは青い果実のまま熟れもせず朽ちもせず変わらないでいるのでしょうか10Mar2017切ない気持ち
きみを思いながら雨を待つ雨を待ったきみの足音のようにやさしい最初のひと粒を風を待ったきみの笑い声のように軽やかな最初のひと吹きを光を待ったきみの瞳のようにあたたかな最初の絶望を闇を待ったきみの涙のように懐かしい最初の孤独を06Mar2017切ない気持ち
もっと未熟な人でなしでいられれば もっとはやく きみの名前にふれることができただろうか 無様な旅人でいたのなら もっと上手に きみの名前を呼ぶことができただろうか 音符を書きつけるように愛を残せただろうか 26Feb2017切ない気持ち
月月はまだ一人になりたいと思っているだろうか母を離れ父を忘れ友を捨て月はまだ一人になりたいと夢みているだろうか母の陰で父を逃れ友を忘れ月はまだ一人になりたいと言うだろうかきみのように20Feb2017切ない気持ち
そんなことを告白されたのです生きているものにもう甘えられないとしたらそのほうが楽かもしれない そんなことを告白されたのです何を言えたでしょう何を手渡せたでしょう思い出せるのはきみの声と指先に残った微かな感触生きている全てにもう頼れないとしたらこのほうが楽なのかもしれない そんなことを告白されたのです何を言えたでしょう何を手渡せたでしょう思い出せるのは自分の鼓動と濡れた右頬の温度たったのそれっぽっちなのです03Feb2017切ない気持ち
角砂糖の部屋そろそろあちらに行きたいわ会うたび明るくあなたはそんなことを言うお前はもう独り立ちしたのだし重荷は少ないほうが良いでしょう会うたびからかうようにあなたはそんなことを言うそろそろあちらで生きたいわ待ってる人がたくさんいるのだもの会いたい人がたくさんいるのだもの角砂糖のような部屋で紅茶を淹れてくれながらあなたはそんなことを言う02Feb2017切ない気持ち
一人の夜は一人の夜はこの星の上でいちばん嘘つきになる寒くないよさびしくないよ ひとりじゃないよ 一人の夜はこの星の上でいちばん素直になる凍えそうだよ泣いちゃうよ 誰もいないよ31Jan2017切ない気持ち