月を掬う

袂の露に

思いも乱れ

見下ろす月が

ゆらりと揺れる


あわれ掬われ

その手のうちに

風の音鳴いて

ぐるりと囲む


袂の露も

いつかは消えて

見下ろす月を

幾度も掬う


やがて囚われ

その手のうちに

光も乱れ

おぼろに霞む