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夢

わたしの白い吐息が

わたしの白い吐息が窓の外へはらはらとこぼれていったのです春のはじめに雪が降ってもわたしを寒くすることはもうできないでしょうわたしの白い吐息が時の外へはらはらとこぼれていったのです春のはじめに雪が降ってもわたしを悲しくすることはもうできないでしょう

24Mar2017
  • 夢

この世界

そこでおしゃべりをしている人の言葉があふれすぎていてそこにこれ以上新しいことを足す必要はないだろうからわたしは口をつぐむのです厳しいともとれるメッセージを詩人は淡々と語りましたいえむしろやさしげにほんの普段ごとのように何かに流されて大切だけど忘れそうなことを彼はいつも心に抱いているその背中に少しでも追いつきたいささやかな夢のひとつです憧れの人です

14Mar2017
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ころがる心臓

起承転結恐れて泣くな余力のこせば怪我の元想い不足で渾然一体気味の悪いは後味残しころがる心臓踊れもせんのに枕重ねてよりかかる

01Mar2017
  • 夢

まだらに愛した

まだらに愛した星だけどせめて壺からとりどしてだいじに、ながめておきますかまだらに色づく星だけどせめて棚に飾りおきだいじに、なでまわしましょうか

27Feb2017
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トーザ・カロット岬の毛糸屋さん

放課後のおしゃべりに飽き飽きしてその日は岬の毛糸屋さんに行きましたスヌードを編みかけていたのですおかえりなさいきょうは何色の毛糸にしましょうきのうだったら星を編む毛糸が 並んでいたのだけど1玉ぐらいはあるかなトーザ・カロット岬の毛糸屋さんはよいしょと大きな箱をカウンターにのせて中が見えるようにしてくれました シャランシャランと綺麗な音がしてさびしかったのがちょっと楽になりました放課後のおしゃべりにも飽き飽きしてその日は岬の毛糸屋さんに行きましたスヌードを編みかけていたのです だけどほんとは 友達と喧嘩したわけじゃなくて親に秘密を作ったわけじゃなくて先生が信じられなくなったわけじゃなくてトーザ・カロット岬の風をからだいっぱいに浴びた...

19Jan2017
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とろりとした水面は

とろりとした水面はピンクベージュさっきなくした記憶の色雨だれひとつ涙がふた粒恋の味は苦くて甘いとろりとした水面はブルーベージュさっき溺れた思い出の色虹がひとつ花びら二重恋の味は苦くて淡い

16Jan2017
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12月某日雲に寝ころび

12月某日家に帰り失くしたはずの笑顔を拾う12月某日旅に出て誰かの歌に涙を流す12月某日雨が降り僕から詩が溢れ出す12月某日雲に寝ころび星をひとつ消す夢を見る

07Dec2016
  • 夢

夜が連れてくる

夜が詩(うた)を連れてくる夜は焰(ほむら)を呼び覚ます夜は朝を忘れてしまい朝は夜を見逃さない夜が涙を連れてくる夜は焔を呼び覚ます夜は明日を忘れてしまい明日は夜を手放せない

04Dec2016
  • 夢

モグラの子

その先へ行きたかったんだ掘れば掘るほど染み込んだ悲しみでお家が壊れそうだったから上に上に行きたかったんだその先を行きたかったんだ掘れば掘るほど流れ出した涙でお家が壊れそうだったから上に上に行きたかったんだその先で生きたかったんだ

29Nov2016
  • 夢

いらない

いらない愛の言葉も争いの火種も悲しみの涙もいらない壊れた季節もだから夢の中で寂しく笑って君を抱きしめた

24Nov2016
  • 夢

あぶくの記憶

猫の心とうさぎの記憶を捨てきれずに生まれてしまった二度と会わせないでくださいあたしを離したあの人にどこかで誰かに願った微かな記憶猫の心とうさぎの記憶を持ったまま生まれてしまった二度と会わせないでくださいあたしを泣かせたあの人にどこかで誰かに祈った微かな記憶空でも海でもない場所のいつかは消えるあぶくの記憶

23Nov2016
  • 夢

灰色空に誰かの口笛

粒ぐらいは残っているかと窓を開けた冷えた空気と懐かしい花の香熱はどこに消えたのか気配ぐらいは残っているかと手を伸ばした灰色空に誰かの口笛夏をどこに忘れたのか影ぐらいは残っているかとアスファルトを踏みしめた頑なな願いにためらい風夢をどこに散らかしたのか 愛をどこにしまい込んだのか

13Nov2016
  • 夢

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