モグラの子その先へ行きたかったんだ掘れば掘るほど染み込んだ悲しみでお家が壊れそうだったから上に上に行きたかったんだその先を行きたかったんだ掘れば掘るほど流れ出した涙でお家が壊れそうだったから上に上に行きたかったんだその先で生きたかったんだ29Nov2016夢
憧れまあるい心に憧れてギザギザナイフを手にとったまあるい気持ちに憧れてギザギザナイフを振り下ろすまあるい自分に憧れてギザギザナイフで切り取った生まれたての自分に憧れまあるい夢を切り取った28Nov2016そんなものでできてる
懐かしい光景いまでも空を見上げたら懐かしいかみさまがうさぎたちと一緒なのが見えるんだこの星は明日をもしれないというのにかみさまを慕うだけでは足りずかみさまになりたがる者のなんと多いことかだけどこの星の上で流れながら首をかしげたんだあさはかだろうか夢見ることはわがままだろうか信じることは罪だろうか願うことはいまでも空を見上げたら懐かしいかみさまがうさぎたちと一緒なのが見えるんだ泣き顔のかみさまとうさぎたちが見えるんだ27Nov2016うさぎ
猫の独り言素知らぬ顔で人間にはそう映るのだろうだって彼らはいつだって噂を立ててはほくそ笑む誰も見てないと信じきって誰か見ていても割り切っていくつもの顔を使い分けるのだから素知らぬ顔で人間にはそう映るのだろう心があること知らないで 腹を立てては傷つけて腹をすかせて忘れてしまう素知らぬ顔の猫でいたのはあなたかもしれなかったわたしかもしれなかった他の誰かかもしれなかった26Nov2016SNS
嘘つきな世界の片隅嘘つきな世界の片隅目も眩むような絵空事あなたの嘘もどこかに隠しておきましょう森に小枝を置くように嘘つきな世界の片隅鳴り続ける知らないメロディあたしの嘘もいっしょに隠しておきましょう砂利に小石を置くように25Nov2016そんなものでできてる
あぶくの記憶猫の心とうさぎの記憶を捨てきれずに生まれてしまった二度と会わせないでくださいあたしを離したあの人にどこかで誰かに願った微かな記憶猫の心とうさぎの記憶を持ったまま生まれてしまった二度と会わせないでくださいあたしを泣かせたあの人にどこかで誰かに祈った微かな記憶空でも海でもない場所のいつかは消えるあぶくの記憶23Nov2016夢
おかえりおかえりなさい雪起こし今まで眠っていたんだねおかえりなさい曇ったガラス今まで忘れていたんだねマグを包んだ手のひらぽかり君を想った初雪ふわりおかえりなさい切ない季節今まで失くしていたんだね21Nov2016やさしい気持ち
失恋分別はお手のもの強がりなあたしがひょこんと顔をだす今日に限って気づきもしないあなたを好きになったことわかりもしないあたしの中の大騒ぎのわけ真顔はお手のもの意地っ張りなあたしがひょこんとのぞいてる今日に限って気づきたくなかったあなたを好きになったこと知りたくなかったあたしの中の土砂降りのわけ20Nov2016切ない気持ち
君のことを考えていた広げた嘘をたたみ直したのにまた君のことを考えていたいつもより命が急かされるのにまだ君のことを思っていた例えばこんな風に季節に気づかれず空にも忘れられて雨に消えそうになっても君のことを考えていた19Nov2016切ない気持ち
あなたがいない日ももう待っていなくてもよいのでしょうか雲がこぼれた日も落ち葉を受け止めた日もあなたがいない日ももう我慢しなくてもよいのでしょうか花が散った日も風が騒ぐ日もあなたがいない日も泣いてもよいのでしょうか大声で名前を呼んでもよいのでしょうかあなたがまだここにいた日のように18Nov2016切ない気持ち